ときには「頭シフト」から「体シフト」に切り換えてみる


病気をすると、つらいこと、苦しいことにたくさん出合います。ときには、悩みの泥沼に入り込んでぬけ出すことができなくなってしまうこともあるでしょう。

こんなときは、「一刻も早く、この闇の中から脱出する方法はないものか」と、誰しも思うものです。

ところで、悩んでいるときや気持ちが苦しいときは、どうしても頭にばかり意識が集中しています。

頭の中で考えが、ああでもないこうでもないと、グチャグチャ、グルグル、同じところを回ってしまい、悩まないようにしよう、考えないようにしようと思っても悩みは増すばかり。

こんなときは思い切って、「頭シフト」から「体シフト」に切り換えてみましょう。

やり方は簡単です。どんなことでもいいから、体を意識して使うようにするのです。

好みの映画やドラマを見たり、景色のいいところに出かけたり、音楽を聴いたり、おいしいものをゆっくり味わったり、花の香りを楽しんだり、お風呂に入ったり、足をマッサージしてもらったり、散歩したり(もちろん車椅子でもOKです)、体力のある人であれば何かスポーツをするのもいいですね。

このとき、なるべく早く頭を楽にするコツは、できるだけ「どんな素敵な風景が見えるのか。どんな素敵な音が聞こえているのか。どんな味がするのか。どんな香りがするのか。どんな感触が伝わってくるのか」などと、五感を意識して感じるようにすることです。

とても単純な話のようですが、「体が生きている」と実感することで、頭の中の悩みの回路がふっと断ち切れます。