がんの予防

身近な病気とは言っても、誰だってがんになりたくないですよね。
では、がんを予防することはできるのでしょうか。

がんの予防方法に関してはさまざまな情報があります。科学的根拠のあるものから根拠のないもの、単なる俗説の域を出ないものまで数多くあって、どの情報が正しいのか、どの情報を信じたらいいのか、みなさんもお困りのことでしょう。

そんな中で、がんのリスク要因として科学的に明らかになってきたものがあります。
リスク要因とは、がんが発症する原因に関係していると思われる物事のことです。例えば、喫煙は肺がんのリスク要因です。このことが分かれば、喫煙をしないことが肺がんを予防することになる、と分かります。

リスク要因のひとつは生活習慣です。

喫煙や過度の飲酒、肥満、運動不足といったことが健康によくないということは、誰もが知っていることでしょう。こういった生活習慣の乱れも、がんのリスク要因です。

また、身長が高い人は大腸がんのリスクが高いと言われています。身長が高いのはどうしようもないことですが、それが分かっていれば定期健診を受けて気をつけることができます。

これらはがんになるリスクを上げる要因ですが、逆にリスクを下げる要因もあります。それは、適度な運動や授乳です。適度な運動をすることで結腸がんの予防に効果的であるということ、そして授乳が乳がんのリスクを下げることが分かっています。授乳は子供がいないとできませんが、子供のいない女性は乳がん検診を積極的に受けるなどの対策を行うことができます。

ここまでに紹介したものは、リスク要因として明らかなものですが、これら以外にもリスク要因の可能性があるというものがあります。おそらく関係があるけれど、はっきりとは証明されていないという情報が多くあるのです。

例えば、熱い飲食物を頻繁に摂取していると咽頭がん喉頭がん、食道がんなど喉のがんになりやすいと言われますが、そのような可能性はあるものの、喫煙と肺がんの関係ほどはっきりとした因果関係が証明されていません。

食べ物もまた、リスク要因のひとつとされています。
がん予防になる食べ物の情報も世の中にはあふれかえっていますので、いったい何を食べればいいのか、本当に効果があるのは何なのか、わからなくなっている人もいることでしょう。

実際のところ、これががん予防に良いと100%言い切れる食べ物はまだ分かっていません。今のところ可能性止まりですが、研究の結果として、多くの野菜はがんのリスクを下げるとして注目されています。

とりあえず野菜中心の食生活を心掛ける、ということから始めてみてはいかがでしょうか。生活習慣の改善と違って、生活に取り入れやすく、誰でも簡単に実践できるのではないかと思います。