ときには「頭シフト」から「体シフト」に切り換えてみる


病気をすると、つらいこと、苦しいことにたくさん出合います。ときには、悩みの泥沼に入り込んでぬけ出すことができなくなってしまうこともあるでしょう。

こんなときは、「一刻も早く、この闇の中から脱出する方法はないものか」と、誰しも思うものです。

ところで、悩んでいるときや気持ちが苦しいときは、どうしても頭にばかり意識が集中しています。

頭の中で考えが、ああでもないこうでもないと、グチャグチャ、グルグル、同じところを回ってしまい、悩まないようにしよう、考えないようにしようと思っても悩みは増すばかり。

こんなときは思い切って、「頭シフト」から「体シフト」に切り換えてみましょう。

やり方は簡単です。どんなことでもいいから、体を意識して使うようにするのです。

好みの映画やドラマを見たり、景色のいいところに出かけたり、音楽を聴いたり、おいしいものをゆっくり味わったり、花の香りを楽しんだり、お風呂に入ったり、足をマッサージしてもらったり、散歩したり(もちろん車椅子でもOKです)、体力のある人であれば何かスポーツをするのもいいですね。

このとき、なるべく早く頭を楽にするコツは、できるだけ「どんな素敵な風景が見えるのか。どんな素敵な音が聞こえているのか。どんな味がするのか。どんな香りがするのか。どんな感触が伝わってくるのか」などと、五感を意識して感じるようにすることです。

とても単純な話のようですが、「体が生きている」と実感することで、頭の中の悩みの回路がふっと断ち切れます。

体の痛みは常に何かを訴えている

体の症状は、ときとして言い出せない自分自身の思いを代弁することがあります。

たとえば、モルヒネなどの麻薬をはじめ、いろいろな薬を使ってもなかなか痛みがすっきりとれないことがあります。

こういう患者さんにどんどん薬を増やしていくと、副作用ばかり出てしまって肝心の痛みはなかなかとりきれないことが多いものです。

ところが、こういう患者さんでも、家族がマッサージをしたり、気分転換に外出の予定を立てたりすると、嘘のように痛みがとれることがあります。

実は「痛み」は、自分がなかなか口に出せない気持ちの代弁者でもあります。

とても我慢強くて、誰かの世話になるのがつらい人は、「誰かそばにいて。体をさすって」ということが、素直に言い出せません。「私はひとりで大丈夫。そんなに弱くないもの」と痩せ我慢をしてしまうこともしばしばです。

しかし、心の奥底に「不安で寂しい気持ち」が眠っていると、体は正直なので「痛み」を出して、本当の思いを告げようとするのです。

「痛み」があれば、看護師も家族も心配して、その人のそばに来ます。何かと気にしてもらえるのです。しかも本人にとってみれば、「痛みが出ているのだから、優しくしてもらっても当然」と自分を納得させることもできます。

「それじゃ、仮病じゃないの」と思う方もいるでしょう。でも、これは仮病ではなく、本当に体に痛みがあって、それがとてもとれにくい状態になっているのです。こういったことは、よくあることです。

また、骨が折れかかっていたり腸が詰まっていたりと、体の具合が相当悪くなっているときも、体は「痛み」という方法で赤信号を出します。

こうした場合、痛みがなくなってしまうと、本人は「もっと動きたい」「たくさん食べてもっと元気になりたい」と焦って無理矢理体を使うため、かえって骨折、腸破裂などの危険な状態を引き起こしてしまいます。

そうした最悪の状態を阻止するために、体はどんなに強い薬にも負けずに「痛み」というサインを出し続けます。つまり、とりされない痛みは、「動くと骨が折れるから、動かないで」「食べると腸が破裂するからやめて」という体からの必死の警告なのです。

十分な薬を使っているにもかかわらず痛みがとれないときには、以下の理由に当てはまらないかを、まずチェックしてみてください。

・不安、恐怖、寂しさなどが強いため、誰かにそばにいてもらいたいと思っている。

・我慢強くて、人に頼るのが嫌いな性格。

・心は動きたいが、動くと体が悪くなる可能性が強い状態。

こうした痛みというのは、どんな処置をしても絶対にとれません。

とれないほうが、本人にとって都合がいいからです。こういう痛みがとれるのは、「痛みがなくても、自分の願いが満たされるとき(痛みはなくても、誰かがずっとそばにいてくれることになった……などとなのです。

だから、痛みなどの症状がいろいろな薬を使ってもなかなかとれにくいときこそ、家族や友人の出番です。病院まかせにするのではなく、本人と一緒になって、「この痛みは何を訴えているのだろうか」と考えてみましょう。

そして、「病気なんだから、つらいときには、我慢しないで」と声をかけてみてください。モルヒネなどのどんなに強い薬よりも、ときとして、周りの人の愛情のほうが効くことがあるのです。

乳がん検診をした私の体験談

私は今から7年前、乳がんと診断をされました。私は乳がんと診断される半年前、市の乳がん検診(マンモグラフィーと触診)を受けていました。結果は異常無し。

そこから半年後、右胸のしこりに気づいて乳腺科クリニックを受診したところ・・・・・・乳がんと確定しました。私の心の中に「私の乳がんは、どうして乳がん検診では見つからなかったのだろうか?」という思いがあります。

私のがんは病理検査の結果、Ⅲ(a)まで進行していました。右乳房全摘の手術・がんの転移が右のわきの下のリンパにまで進行していたので、リンパを全部摘出する手術になりました。

化学療法・放射線治療・ホルモン治療(リュープリン注射を3ヶ月おきに5年間とタモキシフェンという内服薬を10年間飲み続ける)と長期間の治療をしなければならないことは私や家族にとって精神的・経済的な負担がとても大きいです。

県央の乳腺科クリニックでも、クリニックから紹介をされた大学病院でも言われたことですが、私の乳がんのタイプは「マンモグラフィーでは正常だけど、超音波で見ると異常あり」というものでした。

がん検診の時にマンモグラフィー検査だけではなく、超音波検査も追加できていたならば、私のがん治療にかかった時間も費用も、精神的な苦痛も軽かったのかも知れないことを考えると悔しく、悲しい思いがします。

でも、過去のことをどんなに悔やんでもどうしようもありません。私のこの苦い経験を他の人にさせないようにするために、「恥ずかしがらず、面倒くさいと思わずに、がん検診に行くようにしてください」ということをお伝えしたいです。

そして「検診で異常なしという結果だったとしても、自分の身体に異変を感じたら病院に足を運んでください」ということも付け加えたいと思います。

「自分の身体」と一番長く付き合っているのは自分自身だから、「何か変だな」と感じた自分自身の「勘」を大切にしてほしいと思うのです。

自分の健康は自分で守るものです。「自分の主治医は、私自身です」多くの人が、そんな意識を持ってくれたら嬉しく思います。

癌と戦う

※寄稿記事です

癌は、一度なったら基本的に治りません。

「癌は早期発見なら助かる」とある人は言っていました。ゆとり世代の人たちです。想像以上に学の無さを痛感しました。

ガン細胞は、死んだふりをします。治ったのかな?と、勘違いさせます。放射線治療・陽子線治療・サイバーナイフ(逃げるガン細胞を追いかけてやっつける)

ガン細胞は、正常な場所に逃げ込みます。そして、またガン再発です。死ぬ人より残された家族のほうが、つらいと言いますが、私個人の意見は死ぬ人が一番つらいです。

死のカウントダウンが始まるのですから。生き残った人は運がいいとおもわなくてはいけません。

癌の原因は、ストレス・プレッシャー・運動不足・食生活・気が緩んだ時です。

家の母親が、定年退職したらガンになってしまいました。大腸がんでした。原因は、健康診断しなくなったのと、食生活が原因です。

母親は、茶色いものがすきで、野菜を一切採りません。それと水分補給もあまりしません。運動も苦手で便秘がちでした。

癌予防におススメな食物は畑でできた野菜です。ヨーグルトもいいですよ。万能です。危険なものは、山菜です。すべて発がん性物質です。近所の人から山に行ったから貰える場合危ないです。

ほうれん草とベーコンのバター炒めも発がん物質です。単品なら平気ですが。人間も大きく関わっています。嫌いな人や合わない人と一緒に居ると病気になります。

人生 一度しかないので無理して付き合うことはありません。合わせることもありません。癌になったひとは、まさか自分が・・・という感じです。悔しい気分で、生きてます。

二人に一人が、がんの時代というのは、医学が進歩して、がん以外の病気はほとんど治せるということでしょう。自分の好きな仕事で、収入を得て、嫌いなひととは、付き合わない。

今の自分はそうなので、ストレスがありません。じぶんでも長生きしそうな気がしてます。近い将来がん攻略治療法が、できてほしいですね。

がんといかに付き合うか

高齢化や少子化などに伴い、日本人の2人に1人ががんになる時代です。

私もがんになるかもしれませんし、これを読んでいるあなたもしくはあなたの周りの人ががんになってもなんら不思議ではないのが現状です。

がんの治療も以前に比べて著しく向上しています。

がんの種類によっては治療法が確立されており、がんを抱えて生きていける時代になりました。

確かに、いつ進行してしまうか分からないという怖さは残るかもしれません。ですが、生活習慣病も放置したり、なにかの拍子で体調を悪くすれば急に悪化します。

がんにならないためには生活習慣病と同様に生活を顧みる必要があります。タバコや刺激のある食べものや熱いものは食道や気道の粘膜を傷つけてしまい、長い時間をかけて体を蝕んでいきます。

ストレスが強ければ胃がんなどになるリスクも高くなります。

ならないためには生活習慣を見直すことが重要ですが、定期的に健康診断を受けることもまた早期発見につながります。

乳がんなどは若い年齢でも発症することがあるため検診を受けることが推奨されています。

アルコールを飲み過ぎればやはり肝臓に負担がかかり、脂肪肝からやがて肝臓がんにつながる恐れがあります。

がんの治療は大きくわけて手術、抗がん剤放射線の3つです。

手術は固形がんを手術によって切除してくるもので、体にかかる負担も大きいです。

抗がん剤抗がん剤を点滴あるいは内服したりして、がん細胞を縮小あるいはなくすことを目的としています。最近は新薬の登場も様々ながんであり、治療効果が期待できるようになりました。

放射線は治療用の放射線を病変部にあてて、がん細胞を縮小したり、なくすことをねらいとしています。手術の前後で抗がん剤放射線を行う場合もあります。

副作用に関する対策もしっかりとされているので、症状が辛い時などは緩和ケアという治療に伴う苦痛を和らげることも可能です。

緩和ケアと聞くと、治療ができなくなった人と誤解されがちですががんと診断された時から利用することができ、手術・抗がん剤放射線の3つにプラスして行われることが多いです。

がんを完全になくすことが理想ですが、がんの進行を長く抑えることも可能になりつつあり、いかに病気や治療とむきあっていくかを考える必要があります。

がんをなくすことが良い治療かもしれませんが、それによる苦痛が強いのであれば、苦痛をいかになくして長く生きれるか、がん自体はなくならないかもしれないけども、苦痛がなくその人らしく生きれるかは個人個人で考え方が異なるため、話し合っていく必要があります。

癌は遺伝する?

※寄稿記事です。

実は、私の父と母はいずでも癌にかかりました。癌は遺伝するのか? とても気になるところですよね。

父が肺がんで、手術により右の肺と、左の肺の下3分の1を摘出しましたのは66歳の時でした。

命が助かったのは幸いでしたが、手術後は体力がガクっと落ちてしまい、自営業で行っていた会社(個人でしたが…)をたたむこととなりました。

癌になった原因ははっきりしていまして、若いころからかなりのヘビースモーカーであるのと、やはり晩酌を欠かさず行っているくらい、お酒が好きだったことが大きいのかな、と思います。

母は、まだ生きていますが、6年前に胃癌を患いました。かなり大きな腫瘍だったので、胃はすべて全摘出になりました。

他の場所への転移がなかったのが幸いで、命を取り留めたと言えるでしょう。

胃癌の原因は、最近では『ピロリ菌』が良く言われますが、おそらく昔堅気で賞味期限が過ぎようが、食べ物を粗末にできないため食べてしまっていたのが原因かと思います。

また、母は3年前に乳癌もわずらっており、こちらも幸いに転移がなく、現在も元気に暮らしています。
癌は遺伝するのか、と言いますと、可能性は高いと思うのが正しいでしょう。
私も理系を大学で専攻しており、遺伝子に関する知識はありますので、自分自身覚悟をしている次第です。

癌とは、通常の細胞が体細胞分裂を行うときに、DNAがコピーミスを起こし、偶然発生する細胞が元になっています。
この細胞はDANが壊れているので、通常の細胞と同じ働きができず、つまり『邪魔な細胞』になります。この邪魔な細胞が勝手に増殖し、正常な細胞を圧迫していく病気が癌になります。

さらにこの細胞は、場合によっては血液やリンパの流れにのり、体の他の部位に移動して増殖をする場合があり、ここが恐ろしいところです。
ただ、最近ではPETと呼ばれる検査もあり、かなり小さいうちに発見することもできますし、手術の技能も格段に進化し、体に負担の少ない術式も確立されています。

早期に発見できれば治療の可能性はかなり高いですし、転移があっても薬剤治療の手段も増えました。
ちなみに、父親はすでに亡くなりましたが、死因はくも膜下出血ですので、癌ではありません。

私も、おそらく体質的に両親と同じで癌細胞ができやすいようですので、健康診断で早期の発見を心がけたいと思っています。

がんの恐怖を忘れるには?


がん・・・聞くと、死を連想せずにはいられません。私の心の恐怖心ナンバーワンが「がん」です。

しかし、がんを怖いと恐れても日本人の2人に1人は癌になる時代といわれています。

つまり、恐怖に思う、思わない関係なく、がんになると思っていたほうが気持ちも楽なのではないでしょうか?

先日、知人が言いました。「大腸がんの可能性を指摘された」と。

びっくりします。彼は50歳になる前、48歳です。元気で毎日ウォーキングが趣味です。野菜中心でオーガニックで食生活をきづかっていました。青天の霹靂です。

彼は、大腸の検査に行きました。痔ができていたのですが、大腸検査でひかっかたからです。
半年前に下痢が2週間続いたことも気にしていました。大腸カメラを受けました。
結果、大腸にポリープが10個ほどありました。その中で2つ怪しいのがあるので、組織をとって検査に出したそうです。

2週間後、結果を聞きに行くと、手術したほうがいいと医者に進められたといいます。彼はこの言葉に頭が痛くなり、吐き気がしたそうです。

もう帰り道をどう運転したかわからなかったそうです。奥さんは40歳、娘は15歳。まだまだ家族のために生きていたい。彼は運転中、泣いていたそうです。

普段は冷静な彼も家族に伝えるのが一番つらくしんどかったといいます。

そんな彼は、摘出手術を受けました。私はお見舞いに行きたかったのですが彼は、退院してから会おうといって詳しい手術内容も聞かないまま、1ヶ月経ちました。

私も同じ時期に扁桃腺の手術を受けました。手術仲間だと笑っていました。
そんな彼と出会ったの夏が終わって秋の涼しさが心地よいときでした。

以前よりほっそりしていましたが、パワーを感じました。「戻ってきたわー」と手術のことは触れずに。
しかし、彼は続けてこう言いました。

「長くないかもしれないと考えた。でもがんだ。どうしようと悩んでもがんが治らないことも分かったし、何より自分の心がつらかった。だから、がんを忘れる時間を作る練習している」

・・・と話しました。

その1つがガーデニングだそうです。

彼らしいと私は思いました。がんは共存といいますが、共存を忘れる時間も大事です。

日々新しいものが登場する抗がん剤

がんの治療の1つに抗がん剤を使った化学療法があります。

抗がん剤と聞くと点滴によるものを想像されるのではないでしょうか。
抗がん剤は注射だけでなく、内服のものもあり、日々新しいものも登場しその数は100種類をこえています。

従来型の抗がん剤と分子標的治療薬
抗がん剤といえば、従来型のいわゆる殺細胞性のものが有名というか一般に知られていると思います。殺細胞性のものは薬が効果を発現する範囲と副作用がでる範囲がせまいため量を管理しなければ副作用に悩まされます。

従来型の抗がん剤はがん細胞だけでなく、正常な細胞にも作用し副作用として現れます。

対して、最近は分子標的治療薬というものが多く開発されています。分子標的治療薬はがん細胞がもつ特有の遺伝子等にのみ作用するため副作用が従来型のものに比べて軽度で済みます。

副作用について
抗がん剤は先ほども書いたように正常な細胞にも作用くるため副作用が伴います。

がん細胞は細胞分裂が盛んで、細胞分裂が盛んな部分に働くようにできています。私たちの体で細胞分裂が盛んなのは胃や口をはじめとした粘膜、髪の毛、爪などがそんです。

ですから、抗がん剤を使うと吐き気や食欲不振、口内炎、脱毛、爪が弱くなるといったのが起きます。

血液の工場と言われる骨髄も日々新しい血液細胞を作っているので細胞分裂が盛んです。そのため骨髄抑制と呼ばれる貧血や免疫の低下、血が止まりにくいといった副作用も出現します。

分子標的治療薬の場合は、発売当初は副作用がないと言われていましたが体の中に入ることでアレルギーの様な症状を伴うことがわかっています。

副作用にも起こる時期がある
抗がん剤を使うと副作用がでるのはイメージできたのではないでしょうか。この副作用にも副作用が現れる時期があります。

従来型の抗がん剤では抗がん剤を投与した直後?24時間以内に起きる吐き気や食欲不振、投与24時間以降から1週間までに起きる吐き気や食欲不振、1週間前後から2週間の間に骨髄抑制に伴う貧血や免疫の低下、出血傾向、2週間以降に起きる脱毛

といった具合にこの時期にはどんなものが現れるのかというのがわかっています。

使う薬によっても起きやすい副作用、起きにくい副作用があります。

良い抗がん剤とはなにか
抗がん剤が効くとはどんなことをイメージしますか?がん細胞がなくなるのはもちろん理想ですよね。
ですが副作用が強く命に関わるとしたらそれは良い薬でしょうか?

がん細胞がなくならなくても副作用が少ないのはいかがでしょうか。また、がん細胞自体はなくならないものの長く生きれるのはどうですか。

2人に1人ががんになると言われている時代です。がんにならないようにするのは最早難しいかもしれません。新しい薬が次々と開発され、登場しています。

治療方法に正解はないのかもしれません。しっかりと情報収集をして後悔のない選択ができたらいいですね。

がん治療の特徴と種類

ガンを治療するのはもちろん、患者さんの生命を絶たないようにするためですが、その他にもガンの進行を止めることや、ガンによって苦しい思いをさせないこと、自分らしく生きてもらうために治療が行われるケースもあります。

しかし、ガンが見つかり次第すぐに治療に当たるといったケースはあまりありません。

それはガンを治療する上では、治療による効果を最大なものとすることに加えて、体に対する負荷を最小のものとしていく必要があるからです。

そのためには、どんなガンなのかを正しく判断できる細かな診察や検査を行っていかなければなりません。

ガンの治療をすぐに当たれないのは上記のような理由からであり、致し方ないと言えそうです。

どのような治療がベストかといった点に関しては、患者のこれまでの生き方によっても違ってきますので、病院側で選択した治療法が必ずしも患者にとってもベストになるとは限りませんが、少なくとも治療の中身そのものはベストなものであるのは間違いありません。

ガンに対する治療は常にレベルアップし、さまざまな方法で治療が行われていますが、どのようなタイプのガンにも効果をもたらすといった完璧な方法は未だ存在しないのが現状です。

ですから、現在ガンを治療する際には手術をはじめ、放射線治療や薬物による治療など、複数の方法を取り入れる(集学的治療)ことが多くなっています。

また、発症したガンの特徴や患者さんの体質などに合わせて治療を行う、いわゆる個別化医療を取り入れたことで、昔と比べガンによって亡くなる人も少なくなっているようですし、医学の急速な発展により、ガンが発生する仕組みや治療の行い方も明確になってきているようです。

現在、ガンの治療法としては以下のようなものが存在します。

・手術による治療

手術はできるだけ臓器を切り取らないようにすることや、手術の時間を短くすることで患者さんへの負担を軽減することに加えて、手術後に極力合併症を起きにくくするにはどうしたらよいのか?といったことを考えた上で行われています。

手術を受けた患者さんの症状、行われた手術によって入院が短くも長くもなりますが、最近になってからは長期間の入院は少なくなりつつあるようです。

また手術後、スムーズに回復すれば、入院することなく通院しながら様子を見るといったケースも非常に多くなっています。

ですから、患者側としては退院の許可が降りたからと言って、ガンが100%治ったものと決めつけてはならないことも頭に入れておく必要があるわけです。

薬物療法を用いてガンを治療する

薬を用いてガンを治療する方法であり、ガンの治療では抗がん剤ホルモン剤、免疫賦活剤などを用いて行われます(化学療法)。

その他、ガンによる痛みなどの軽減を目的として使用する薬剤や鎮痛剤、吐き気を抑える薬などもこれに該当し、投与は薬を飲んだり、点滴や注射をしたりといった方法が一般的です。

常に投与するといったことはなく、入院または通院しながら治療をしていき、投与した薬による効果や副作用を考慮した上で治療を続けていきます。

ガンに対する治療は、『局所療法』、『全身療法』に分類できるわけですが、これらの違いに関しては、田んぼに生えた雑草をどのように取り除くかを考えていただければ分かりやすいかもしれません。

田んぼの特定箇所だけに雑草が生えている場合には、雑草ではないきちんとした作物も一緒に刈っていっても問題ありませんが、あらゆるところに雑草が存在する場合には、全部を刈るわけにはいきませんので、田んぼすべてに薬を使用して雑草を取り除いていきます。

放射線を用いてガンを治療する

放射線を当てることでがん細胞の数が増えるのを防ぐという方法であり、これには体にメスを入れずともガンをよくしていくことが可能といったメリットがあります。

ただ、この場合はガンのタイプ次第で放射線による効き目などがかなり違ってくるということも頭に入れておいてください。

「がん」とはどのような病気なのか?

最初に、がんを漢字にしてみると癌になりますが、細かくいってしまえば「がん」と「癌」は同じ意味ではありません。
癌は医学的に上皮細胞由来の悪性腫瘍のことを言います。
この上皮細胞というのは、臓器の上辺を構築する細胞の一つのことを言います。
そして、それ以外の細胞や骨、筋肉などを構築する細胞に発生する腫瘍を肉腫と言います。
癌よりはがんの方が幅広い意味合いで使われることが多い言葉になります。

では、がんの意味はといいますと、悪性腫瘍と同等になります。
悪性腫瘍とは名前の通りに悪性の腫瘍のことを言います。腫瘍というのは細胞が一方的に増えてできたものと言えます。

人間の体を形成している細胞は、分裂を繰り返し増殖していきその過程で古い細胞と交換され、量が増えることで成長していきます。
これは正しい機能で、多少増減があっても規則正しく増えている分には問題ありませんが、一方的に次々と増えているようであれば、異変が起きているという事になります。

このように異様に増えた細胞が集まり固まったものを腫瘍と呼び、そのうえそれが周りの組織に次々と広がってしまったり、別の部分で似たような症状が発生したりすると、悪質なものだという事で悪性と判断されます。
このようなことを悪性腫瘍と呼び、ようするにがんということになります。

そして、腫瘍は新生物とも言われ、がんは悪性新生物とも言われます。
がんが発症して困る理由は、一方的に増えて、この増えた細胞は自身の役目を全うできなくなることです。
このような細胞は広まっていくと、内臓等の組織が自身の役目を全うしなくなる為、健康に害を及ぼすようになってしまいます。

では、どうしてこのような細胞が発生してしまうのかというと、細胞内の遺伝子が傷を負うせいだと言われています。
細胞の中には、設計図のような遺伝子が存在しています。
この遺伝子が何らかの原因で傷を負い、破壊されると異様な細胞分裂が発生します。
傷を負う原因は色々あります。
普通の生活を送っているだけなのに、なぜか遺伝子が傷を負っているということもありえます。

ですが、遺伝子が傷を負ったからと言ってすぐにがんになるわけではありません。
それでも、傷を負った遺伝子の数が増殖したり、それを止められなかったりしていると、すぐがんになる可能性は高くなってしまいます。

今はまだ、がんの構造など全てが判明しているわけではないので、完璧に防ぐことは難しいでしょう。

がんの予防

身近な病気とは言っても、誰だってがんになりたくないですよね。
では、がんを予防することはできるのでしょうか。

がんの予防方法に関してはさまざまな情報があります。科学的根拠のあるものから根拠のないもの、単なる俗説の域を出ないものまで数多くあって、どの情報が正しいのか、どの情報を信じたらいいのか、みなさんもお困りのことでしょう。

そんな中で、がんのリスク要因として科学的に明らかになってきたものがあります。
リスク要因とは、がんが発症する原因に関係していると思われる物事のことです。例えば、喫煙は肺がんのリスク要因です。このことが分かれば、喫煙をしないことが肺がんを予防することになる、と分かります。

リスク要因のひとつは生活習慣です。

喫煙や過度の飲酒、肥満、運動不足といったことが健康によくないということは、誰もが知っていることでしょう。こういった生活習慣の乱れも、がんのリスク要因です。

また、身長が高い人は大腸がんのリスクが高いと言われています。身長が高いのはどうしようもないことですが、それが分かっていれば定期健診を受けて気をつけることができます。

これらはがんになるリスクを上げる要因ですが、逆にリスクを下げる要因もあります。それは、適度な運動や授乳です。適度な運動をすることで結腸がんの予防に効果的であるということ、そして授乳が乳がんのリスクを下げることが分かっています。授乳は子供がいないとできませんが、子供のいない女性は乳がん検診を積極的に受けるなどの対策を行うことができます。

ここまでに紹介したものは、リスク要因として明らかなものですが、これら以外にもリスク要因の可能性があるというものがあります。おそらく関係があるけれど、はっきりとは証明されていないという情報が多くあるのです。

例えば、熱い飲食物を頻繁に摂取していると咽頭がん喉頭がん、食道がんなど喉のがんになりやすいと言われますが、そのような可能性はあるものの、喫煙と肺がんの関係ほどはっきりとした因果関係が証明されていません。

食べ物もまた、リスク要因のひとつとされています。
がん予防になる食べ物の情報も世の中にはあふれかえっていますので、いったい何を食べればいいのか、本当に効果があるのは何なのか、わからなくなっている人もいることでしょう。

実際のところ、これががん予防に良いと100%言い切れる食べ物はまだ分かっていません。今のところ可能性止まりですが、研究の結果として、多くの野菜はがんのリスクを下げるとして注目されています。

とりあえず野菜中心の食生活を心掛ける、ということから始めてみてはいかがでしょうか。生活習慣の改善と違って、生活に取り入れやすく、誰でも簡単に実践できるのではないかと思います。